未来を解き放ち、循環を取りもどす
現代社会が抱える数々の問題は、人類の発展における影そのものです。
大量生産・大量消費、食料危機、健康被害、貧困格差、エネルギー不足など、これらはあまりにも複雑化し、人類が持ち得る課題解決能力を超えてしまったといわれ、いま一度、問題の本質、問いのあり方を見直すべきでしょう。
そもそも、人間や自然などの万物は自ら回復するという能力を秘めています。その本来の力を『解放』し、力強い『循環』に還ることが、目指す姿の原点になると考えています。
価値を上塗りする前に、私たちの可能性を縛る制約を取り除く。「存在そのものに価値がある」という前提に立ちながら、「人間性の回復」と「自然・地球への畏敬」に取り組むことが大切です。
” WATER ” に秘められた心象世界
水、それは生命の源となる「第一物質」です。
水は生命を育み、形づくる不可欠な存在であると同時に、火と気の中間、生と死の中間に位置する水は、両極を結ぶ調和の要素でもあります。
水は混沌とした状態を象徴し、同時に「浄化」「回復」の力も秘めています。流れる水は、汚れを清め、傷ついたものを癒し、その透明な波は、混沌とした状態を静め、新しい可能性へと導いていきます。
また、水は容れ物の形に従うことができます。流れる水は瞬く間に様々な形を作り出し、その順応性は驚くべき性質です。固執せず変わり続ける姿勢に、新しい挑戦への意思を感じます。
”WATER”は「解放」と「循環」の象徴にふさわしいメタファーです。豊かさの基準をリ・デザインしていくために、”WATER”に秘められた可能性をヒントとして、未来構想の研究・開発に取り組んでいきます。